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故郷でのバスケW杯予選に燃える、
馬場雄大に必要な“エゴ”とは。
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byB.LEAGUE
posted2018/11/30 07:00
馬場は来年1月に地元・富山で開催されるオールスターのファン投票で、2年連続最多得票で出場決定した。
フィニッシュを任せられたい。
「他の人の話題を聞いても何かを感じることは少ないんですが、やっぱりあの2人が活躍すると心の中に燃えるものを感じます。結果を残している2人に対して、日本にいる自分はインパクトを与えられていないんじゃないか、という悔しさはひしひしとあります」
馬場はA東京の一員としてチームへの貢献を求められる立場。渡邊や八村のような存在になる上では制約もある状況だが、ステップアップのためにはある程度のエゴも必要になってくる。チームへの貢献と自身の成長との間で揺れ動いているのが、今の馬場の立ち位置だ。
「フィニッシュを任せられる選手になりたいとは思っています。もうルーキーではないので、他の選手と同一に見られる中でいかに突出するか。結果にこだわってやるためにもエゴは必要だと思いますし、それでもやっぱりチームが勝った上で結果を求めていきたいという気持ちが強いです」
「日本を背負う」意識で。
馬場はまた、「プレーよりもメンタルの部分でしっかり考える必要がある」とも語る。ワールドカップアジア予選を間近に控える中、渡邊や八村と違い日本でプレーしていることにメリットを見出し、今の環境でできる最大限のベストを尽くす構えだ。
「彼らが結果を出しているのを見てしまうと『日本にいる自分に何ができるんだろう』と思ったりもしますが、ちやほやされる中で自分を律していくことができれば、アメリカに行った時にも必ずプラスになる。『日本を背負う』という意識でひたむきにやることは、アメリカにいるよりも日本にいる今のほうがしっかり考えてできるかなと思います」
11月30日・12月3日のワールドカップアジア地区2次予選Window5は、馬場の地元である富山県で開催される。
2020年の東京オリンピックの開催国枠獲得にも影響を与える大事な2試合だが、大学のシーズン開幕が近い八村は代表に合流せず、シーズン中の渡邊もメンバーに予備登録はされているものの参加の可能性は低い。
一際高いモチベーションで臨むであろう馬場の働きには大いに注目しなければならない。