パラリンピックへの道BACK NUMBER
映画『こんな夜更けにバナナかよ』で、
パラリンピックの本質を考える。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by(c)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会
posted2018/10/31 11:10
俳優・大泉洋が惚れ込んだ傑作ノンフィクションが、ついに映画化。大泉はこの役に10キロもの減量で臨んだという。
「俺は1日1日が勝負なんだ」
「俺は1日1日が勝負なんだ」
鹿野は言う。
そんな鹿野の姿勢と行動は、人が生きるとはどういうことなのか、人と人がかかわるとはどういうことかを浮き彫りにする。
なぜボランティアをはじめとする周囲の人々が鹿野に魅せられていくのかも見えてくる。浅はかな自己責任論とはかけ離れた、真実があるのだ。
この映画は、大泉や高畑ら、出演する役者たちの心に残る演技によって、テーマからは想像がつかないほど明るさとユーモアに包まれることとなった。そのことで、より一層その真実を強く伝えることに成功したのではないだろうか。
より多くの人の目に触れ、生きること、人とのかかわりを考える契機になれば、と思う。
傑作ノンフィクション『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の映画化を記念し、Number Webをお読みの皆様を特別に無料試写会へご招待いたします。奮ってご応募下さい!
文春文庫
大泉洋主演で映画化! 原作は、大宅賞、講談社ノンフィクション賞をW受賞した傑作ノンフィクション。 壮絶ながらも、命の輝きに満ちた日々を描く笑って泣ける話題の映画のノベライズ版。
<本体600円+税/渡辺一史・著>
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