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「イタリア最高のMF」はまだ21歳。
サッカーも結婚も早熟な男バレッラ。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2018/10/31 11:15
ポーランド戦、決勝ゴールのビラーギに駆け寄るバレッラ(左)。大先輩のピルロにも絶賛されている逸材だ。
大物2人との初コンビで見事な連係。
10月連戦でのマンチーニの狙いは、中盤でMFジョルジーニョ(チェルシー)とMFベッラッティ(パリSG)による“ダブル・レジスタ”にボールをコントロールさせること、そして彼らのサポート役としてバレッラを試すことだった。
ウクライナ戦は1-1のドローに終わったが、イタリアの新たな中盤の歯車は確かに動き始めた。
「ジョルジーニョとベッラッティは2人とも凄い選手。初めてでも彼らとの連係はうまくできたと思う。このデビュー戦が監督に気に入ってもらえたら嬉しい」(バレッラ)
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続くポーランド戦は、UEFAネイションズリーグ(NL)リーグA残留をかけた大一番だった。
4-3-3の中盤に同じ3人が先発したアズーリは、前半だけで4度の決定機を作り、敵地ながら終始相手を圧倒。92分のDFビラーギ(フィオレンティーナ)のゴールによってあげた白星は、親善試合を除く公式戦では'17年10月9日のロシアW杯予選アルバニア戦(1-0)以来、実に1年ぶりとなる勝利だった。
「攻撃の精神をもったチームをつくる」
ポーランド戦がいかに胸高ぶらせるものだったか、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙の論評を引用したい。
「これはマンチーニだけのイタリア代表ではない。これはプランデッリ(元代表監督)のイタリアであり、サッリ(チェルシー)のイタリアでもある。(サッスオーロ監督)デゼルビや(サンプドリア監督)ジャンパオロ、座して待つのではなく自ら仕掛けていくスタイルのサッカーを目指す全てのイタリア人監督のアズーリがここにある」
チームの士気を高める劇的な勝利を見たマンチーニは、バレッラに「いいデビューだった」と労いの言葉をかけ、あらためて試合後に訴えた。
「私が作りたいのは、ホームでもアウェーでも敵陣の真ん中でつねにプレーを仕掛ける攻撃の精神をもったチームなのだ」