野球クロスロードBACK NUMBER
楽天・岩見の24打数0安打14三振。
「慶應のバレンティン」のもがき。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byKyodo News
posted2018/10/26 08:00
大学時代にはユニバーシアード日本代表にも選出されていた岩見。周囲の期待値は高い。
勝負を仕掛けて、ダメだった。
10月6日。前日までの2試合を6打数無安打、4三振で迎えた、ホーム最終戦となるロッテ戦でも、岩見はスタメンに名を連ねた。1打席目は三振。2打席目も三振に倒れ、3打席目には代打を送られベンチに退いた。だが、今までと明らかに違っていたのは、岩見が積極的にバットを振ったことだ。
勝負を仕掛けて、ダメだった。
今季、岩見は24打席に立ち無安打、14三振とプロの洗礼を浴びた。だが、それでいい。自身シーズン最後の試合で呪縛を解き放てたのだ。
「僕は試合が終わった後もバットを振っていますし、ずっと振り続けます。だって下手くそなんで、やらないとダメじゃないですか。あ、これは別に書かなくていいですからね」
それでも書かせてもらう。苦悩を経て、自分を取り戻した男は、来季、あるべき姿を打席で見せてくれるはずだ。
岩見には、巻き返しの「次」がある。