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10年前のドラフトから考えるロッテ。
あやうく全滅……を救った育成枠。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byKyodo News

posted2018/10/16 17:00

10年前のドラフトから考えるロッテ。あやうく全滅……を救った育成枠。<Number Web> photograph by Kyodo News

2016年には年俸1億円超えも果たしていた西野勇士。故障も癒えて、来季の復活なるか!?

この年のドラフトは全滅かと思いきや……。

 1位木村雄太(投手・東京ガス)は'06年に横浜の大学生・社会人ドラフト3巡指名を拒否しているので、指名はこの年が2度目である。通算1勝6敗で、'16年限りで退団。

 3位の上野大樹(投手・東洋大学)も'15年限りで球界を引退している。本指名された5人の中では最もいい成績(通算11勝10敗)を残しているが、もっと勝てるピッチャーだったのではないだろうか……と思っている。

 4位坪井俊樹(投手・筑波大学)、5位山本徹矢(投手・神戸国際大付高校)、6位香月良仁(投手・熊本ゴールデンラークス)まで含めて、この年のロッテのドラフトは全滅と言っていいほど当たらなかった。ただ、育成枠は別の流れとなった。

 育成ドラフト5位・西野勇士(投手・新湊高校)、6位・岡田幸文(外野手・全足利クラブ)がその後、チームの柱になるのだ。

育成枠の選手がチームを支える!?

 西野は'12年まで育成選手として過ごし、翌'13年(登録は'12年末)からは支配下選手としてプレー・この年は先発として24試合に登板して9勝6敗、防御率3.80を挙げ、主力投手の仲間入りをする。

 '14~'16年は抑え投手としてゲーム終盤をまかされ86セーブを記録。'14、'15年は防御率が1点台で安心して見ていられた。

 岡田はクラブチームから育成ドラフトを経てプロ入りした苦労人。'11、'12年にゴールデングラブ賞を受賞、守備名人の異名がある。

 捕球に向かうときの第一歩がとにかく早く、'11、'12年時はプロ野球で最も外野守備がうまい選手と言われていた。ただバッティングは実働9年間で1本もホームランを打っていない。

 やはりホームランを打たないことで注目を集めていた中島卓也(日本ハム)が'17、'18年に1本ずつ打っているので、岡田のほうが特徴を維持したと言っていいだろう。

 2008年のロッテは、目を育成ドラフトに向けるとまったく違う風景が見えてくるので面白い例となった。

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