ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
井上尚弥、最強証明のチャンス到来。
4人の世界王者を含むトーナメント。
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2018/10/06 17:00
公開練習でも、井上尚弥の好調さは存分に発揮されていた。世界も井上のポテンシャルに注目している。
早期決着でも、長期戦でも面白い。
サウスポーとの対戦が'14年暮れのナルバエス戦以来2度目と少ないことも、井上の不安要素の1つに数えられる。こうしたことも考慮すると、井上は慎重なスタートを切るだろうし、試合が中盤、後半までもつれる可能性は十分にあると言えるのではないだろうか。
試合が長引けば、井上のバンタム級での適性がより見極められる、という意味で興味深い。“バンタムの洗礼”を浴びせようと、あらゆる手段を尽くすパヤノを、井上が理詰めで崩し、最後は仕留める。そんなストーリーが展開されれば、ファンにとっては至福であろう。
またしても早期決着となれば、それはそれで痛快だ。そういえば、バンタム級としては規格外の体格を誇るマクドネル戦の前に、モンスターはこう発言していたのではなかったか。「今回は簡単につかまえられないと思う」。井上のようなオオカミ少年は大歓迎である。