相撲春秋BACK NUMBER
日馬富士が残した最後の言葉。
「世界を旅して勉強したい」
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph byKyodo News
posted2018/10/03 17:15
断髪式で横綱白鵬関(右)にキスされる元横綱日馬富士。
「神様から力というものを預けられて」
――約400人の方にハサミを入れられて、感じたこと、印象に残ったことは?
「相撲を通じて、縁があって素晴らしい方々と知り合うことができたので、その方々の支えとご指導のもと、私、日馬富士がいるわけで。ひとりひとりの姿と出会いを思い出しながら、感謝しながら断髪をさせていただきました」
――ハサミを入れていただいてる途中でグッと来る瞬間はありましたか?
「それはたくさんありました」
――実際に涙は?
「いや、ひとつの始まりがあればいつか終わりが来るわけですから、若い時に神様から力というものを預けられて、その時が来たら返すものなので。
今日はしっかりと感謝の気持ちを持って、返させていただきました。
ひとつが終われば、またもうひとつの道が始まるわけですから、第二の人生のスタートとして泣くわけにはいかないので。笑顔で皆さんに、(自分の)胸にある感謝の気持ちを伝えたかった」
「お客様に病気とかがないように……」
――最後の土俵入りはどういう思いで?
「現役のふたりの横綱と3人で、感動しました、自分でも。あとは心を込めて、今日見に来てくれたお客様に病気とかがないように、悪いことがないようにと思いながらしっかり四股を踏みました(注*四股には邪気を払い、災いを封じるとの意味がある)」
――今日に備えてトレーニングは?
「いやあ、特に。もちろん引退相撲は初めてですので(笑)、すごい忙しくて。今130キロくらいですね。そんなに体重は減ってないです」
――新しいヘアスタイル、どうですか?
「いやあ、どうですかって、初めてですからね。これからどういうスタイルが合うか、パーマでも掛けるとか(笑)」
――軽くなりましたか?
「今のところ、あまり感じることはないです」