オリンピックへの道BACK NUMBER
桃田賢斗「まわりに支えてもらって」
一度は薄れかけた力を強く感じて。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2018/09/24 17:00
桃田賢斗がジャパンオープンの頂点に立った。東京五輪まで2年、彼には果たさなければならない目標があるのだ。
ジュニア選手に見て欲しいところ。
そんな桃田だからこそ、ジャパンオープン初優勝にも浮かれることはない。2020年の東京五輪と同じ会場での優勝を喜びつつ、抱負を述べた。
「先を見るのではなく、目の前の試合を精一杯戦いたいと思います」
9月18日からは中国オープンを戦い、さらに翌週には韓国オープンと大会が続く。そのひとつひとつの大会を、ひとつひとつの試合をおろそかにしたくないという思いだった。
そして優勝後、こうも語っている。
「今のジュニアの選手は、(動画サイトなどで)トッププレイヤーの格好いいプレーしか見ていないと思います。みんな一球一球、食らい付いているところを(大会で)見てもらえたんじゃないかと思います」
一度はどん底に落ちながらあきらめることなく、そこで辛抱強く、時間を無駄にすることなく地道な取り組みを重ねてきた桃田ならではの言葉だった。