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奥寺康彦から30年後、大迫勇也が。
ブレーメンに馴染むマルチな才能。 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byGetty Images

posted2018/09/21 11:00

奥寺康彦から30年後、大迫勇也が。ブレーメンに馴染むマルチな才能。<Number Web> photograph by Getty Images

第2節フランクフルト戦で移籍後リーグ戦初ゴールを決めるなど、大迫勇也は順調なスタートを切っている。

ブレーメンの音楽隊の銅像が。

 ブレーメンで思い浮かぶのは、『ブレーメンの音楽隊』くらいでしょうか。ちなみに、グリム童話の一編は人間に虐待されたロバ、イヌ、ネコ、ニワトリがブレーメンを目指す冒険譚ですが、物語でロバたちはブレーメンに辿り着いていません。

 それでもブレーメン中心部にある市庁舎横には彼らの銅像があって、ご利益があるというロバの足を皆が触りまくるので、そこだけ金色に変色しています。

 ブレーメンの本拠地ベーザー・シュタディオンは、その市庁舎からトラムで約10分。ベーザー川が流れる風光明媚な場所にあります。スタジアム最寄りのトラム駅周辺は片側1車線の小路ですが、試合数時間前からは一般車両が通行禁止になるので渋滞することはありません。

 また、周辺にはパブや居酒屋が軒を連ねていて、試合日はブレーメン名産のピルスナービールで乾杯するサポーターたちで埋め尽くされます。昔ながらの建築様式が施された建物が多く、異国情緒たっぷりの高揚感を得られます。

スタジアム隣接のプールでは……。

 ブレーメンのサポーターは、良い意味で慎ましい雰囲気を醸しています。集客力抜群のドルトムントや、少々荒くれ者の多いフランクフルトに比べると迫力不足は否めませんが、その思慮深い佇まいはスタジアムの中に入っても感じられ、女性や子どもが観戦する姿も多いように感じます。

 笑ってしまったのは、試合開始1時間前で多数のサポーターが集結する中、スタジアム隣接のプールで高齢の方がスイミングを楽しんでいること。

 ドイツのクラブはサッカー以外にも様々なスポーツを楽しめる正真正銘のクラブとしての機能を果たしているのですが、わざわざ5万人近くが集まる日にのんびりと平泳ぎをするご老人たちを見て、なかなか肝のすわった方々だなぁと感心してしまいました。

【次ページ】 チームを率いる35歳の若手監督。

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