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Number欧州蹴球名鑑の作り方。
選手キャプション「60字」の美学。
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2018/09/12 17:00
選手名鑑のこの小さな1コマに、時には異様なほどの労力がかかっている。それもまた名鑑の醍醐味である。
ブンデスで登場した「男梅」の文字。
<ブンデス 選・飯尾篤史>
ボビー・ウッド(FW ハノーファー アメリカ代表)
「母親が日本人で出身はハワイ。酒井高徳いわく、男梅と納豆が好物。DFを背負ってもビクともしない体幹の強さで、攻撃の起点となる。」
理由:「酒井高徳いわく、男梅と納豆が好物。」に想像力が膨らむ。高徳が代表戦で帰国した際には、男梅をたくさん買ってきてもらっていたのか。今季は原口元気、浅野拓磨とチームメイトになるので“仕入先”には困らない?
<セリエA 選・手嶋真彦>
ブライアン・クリスタンテ(MF ローマ イタリア代表)
「評価うなぎ上りの急成長株。モビリティーが高く、プレスの急先鋒となっては、激しく奪い返す。オフザボールの走りで“王手”をかけ、冷静沈着に“投了”させるスコアラーにも。」
理由:サッカーを別の何かにたとえるのは難しく、短いキャプションではなおさら。とはいえ、そうしたチャレンジも織り交ぜていかなければ……という中で、将棋を使ったキャプションを選びました。
<アザー 選・杉山孝>
エルファルドゥ・ベン(FW ツルベナ・ズベズダ コモロ代表)
「崩しの切り札。柔らかいトラップでくさびのパスやロングボールを収め、素早い反転からの突破で敵を翻弄。左足のシュートも必見。」
理由:失礼ながら、コモロという国なんて初めて聞いたな、と思ったのが興味の始まりです。フランス領マヨット島生まれのコモロ代表FW。今季のCL予選では、延長戦になった3回戦セカンドレグも含めた全8試合で、6ゴールも挙げています。もしかしたらブレークするかも、という期待を込めての選出です。