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丸藤正道とKENTAが運命の再会!
熱く燃えた5年ぶりシングルマッチ。
posted2018/09/04 11:30
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
ノアの丸藤正道とWWEのヒデオ・イタミ(小林健太=KENTA)が9月1日、両国国技館で行われた丸藤のデビュー20周年記念試合で対戦した。
丸藤とイタミがシングルで戦うのは2013年7月以来、5年2カ月ぶりのことだった。
イタミのWWE移籍前、丸藤とKENTAの2人はGHCヘビー級王座やGHCジュニアヘビー級王座をかけて激しい戦いを繰り返していた。
それ以前はバランスの取れたタッグチームでもあった。2006年10月に日本武道館で行われた2人のGHCヘビー級戦はプロレス大賞の年間最高試合に選ばれた。
だが、ノアの黄金カードはKENTAのWWE移籍で消えてしまった。
そんな2人が国技館で対峙した。
観客席からイタミは「KENTA」コールで歓迎された。
米国で人気の浮き沈みも味わった。
「呼びやすい名前で呼んでもらっていいですよ」
試合前、イタミは静かに話した。
「ヒデオ・イタミの試合を見たことありますか。この場所にはふさわしくないキャラクターですね。イタミでも、ヒデオでも、KENTA、小林でも好きなように、楽しめるように呼んでもらえれば。今日は自分がどこまでできるかを確認したかった」
イタミのWWEでのスタートは順調だったが、大声援で歓迎されたオリジナル技「go 2 sleep(ゴートゥースリープ)」は危険すぎてアメリカでは封印を余儀なくされた。
肩の負傷でイタミが1年以上欠場している間に、中邑真輔らにそのポジションを奪われてしまったことも事実だった。
負傷が癒えて戻って来たら、今度はパワースラムを受けて首を負傷してしまった。
さらなるカムバックは果たしたが、ビッグマッチから遠ざかっていたイタミは、アメリカの一般のファンにとっては「強烈なキックを使う小さな日本人」という印象だけにとどまって、かつての必殺技「ゴートゥースリープ」への期待感はトーンダウンしていたのだ。