かわいい後輩にして、ライバル。

　WWE移籍の1年前から海外での挑戦をKENTAから相談されていたと丸藤は語った。

「かわいい後輩ですよ。そして人生のライバル。切っても切れない関係。プロレスラーとしてジェラシーを感じたこともある。

　でも1人の人生だから思うように生きた方がいい。それでも、あの時は1年、ノアに留まってくれた」

　イタミはWWEで封印中の“ゴートゥースリープ”を丸藤に連発した。

「一発目はかすったけれど十分効きました。2発目は強烈だった」

　丸藤は飛びそうな意識から目覚めると、夢中でカウント2で跳ね返すと、トラースキックとヒザのコンビネーションをイタミに浴びせた。

　最後は右肩を痛めているせいか体勢を崩したが、ポールシフト式のエメラルドフロウジョンでイタミからフォールを奪った。34分余の互いに確かめ合うような戦いだった。

　これで通算の対戦成績は丸藤の10勝3敗1分けになった。

「温かく迎えてもらって、うれしかった」

「勝ちたかったけれど、温かく迎えてもらって、すごくうれしかったし、必要とされる感じが自分の求めているものと痛感しました。また戻って、そういう場所を見つけたい」

　イタミもライバルと再会したことで、気持ちの中に次が見えたように発言していた。

「今日の試合で、自分はまだできる、と確認したい気持ちが強くあって。自分の満足いくところまでは行かなかったですけれど、少なからず、まだオレはできる、っていう気持ちにはなりました」

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