猛牛のささやきBACK NUMBER
オリ福田周平のメンタルは新人離れ。
「10がゴールとしたら、まだ2か3」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2018/08/10 10:30
'17年ドラフト3位でオリックスに入団したルーキーの福田。169cmと小柄ながらチーム1、2を争う俊足で、身体能力も高い。
ルーティンを確立してリラックス。
まず取り組んだのは、ルーティンを確立することだった。
「人間は感情があるからいい面もありますけど、野球においては、機械のように動いた方が結果が出る。だからルーティンが大事なんです」と福田は言う。
ベンチの中でヘルメットをかぶり、手袋をつけた瞬間に、「ここからはバッティングに集中する」というスイッチを入れる。
ネクストバッターズサークルでは、自分が打席に立っているとイメージしながら、投手のリリースポイントに集中しタイミングをはかる。そして自分の体の気になる部分をストレッチして、打席に入る、というのが福田の一連の流れだ。
「そういう一連のことができていたら、『あ、オレ、今リラックスできてるな、落ち着いてるな』という確認にもなります。もちろん試合前には投手の映像を見たりして、相手がどういう球を投げるのかをイメージし、それに対して、例えばこのコースはこう打とうとか、自分ができるプランをしっかり立てます。
あとは打席でそれを迷わず実行する、という流れです。その計画の中には、『ヒットを打つ』という項目はありません。そこはもう自分では操作できないですから」
重要視する出塁率も3割3分前後。
メンタルへの理解を深めている福田だが、「100%できているかというと全然できていない。まだまだ発展途上」だと言う。
オリックス入りした今年、キャンプは一軍で過ごしたが、オープン戦ではなかなか安打が出ず、開幕一軍入りを逃した。
「あの頃は、打ちたい打ちたいと結果を欲しがりすぎていました。ルーティンが全然できていなかった。計画を立てたとしても、舞い上がって、計画に対する迷いが出てしまい、だからスイングも迷っていました」
それでも、自らの状態に気づいて修正し、プロの環境にも慣れていくにつれて徐々にチャンスをものにし、一軍に定着。二塁手での先発出場の機会が増え、打率は2割6分2厘(8月7日時点)、福田が最もこだわる出塁率も3割3分前後を維持している。