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バド女子ダブルスはタカマツ以外も!
世界ランク5位以内に3組の熾烈さ。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2018/07/22 17:00
タカマツペアに奥原希望……今月末に始まる世界選手権ではメダルが期待される日本勢。
ペア解消を経てもう一段階成長。
2013年から組み始めた2人の転機は、2016年にある。この年、ペアを一度解消し、しばらくの間お互いに他の選手と組んでプレーをした。
そこで気づいたのは、意思を伝える大切さだったという。長年組む中でどこかに相手への甘え、依存が出て言葉足らずになってしまったのだ。夏になって再度コンビを組むと、より積極的に言葉を交わして考えを確認するようになった。それが試合で立てる作戦の意思統一につながった。
今春には、所属先を移籍した。その理由をこう明かしている。
「今の日本代表には世界トップクラスのペアがたくさんいます。仲間であり、強いライバルでもあります。一歩上を行くには、(長年、指導を受けてきた今井)彰宏さんのサポートが必要なのです」
そんな2人が最大のライバルと意識しているのは、むろん、タカマツ組。全日本総合選手権後の涙ながらのコメントが象徴的だ。
「高橋さんたちに勝ったことがうれしいです」(福島)
タカマツペアも足踏みしていない。
そのタカマツ組も、足踏みしているわけではない。
五輪で金メダルという最高の目標を達成し、次の目標を見出しにくい時期もあった。それでも、スーパーシリーズで40勝以上した海外の選手などを例にあげ、「私たちももっと記録を伸ばしていきたいと思っています」(高橋)と意欲を取り戻した。
それは行動にも表れている。高橋の力強いスマッシュ、松友の前衛でのさばきという特徴を活かしたコンビネーションが強さの源だが、高橋が前へ出るプレーなどに磨きをかけることで、もう一段高いレベルを志してきた。
世界選手権には、この2組のほかに、米元・田中組、世界ランク9位の永原和可那・松本麻佑組と、4組が出場する。
彼女たちが等しく視野に入れるのは、東京五輪にほかならない。