【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
ZOZOはプロ野球界を変えるか!?
シーズンオフに乞うご期待。
posted2018/07/23 07:00
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
Kyodo News
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの前澤友作社長が、「プロ野球球団を持ちたいです」とツイートして話題を呼んでいます。
新しくNPBに参入する方法としては、今ある球団を買収するか、それとも球団を新たに作るか。基本的にはこの2つです。前者に関してはなかなか難しいかもしれません。DeNAがベイスターズを買った7年前は野球氷河期。人気が落ち込んで、観客動員数もかなり減っていたので、新規参入の可能性も高い環境下にありました。
しかし今はベイスターズにはじまるスポーツエンターテインメント化によるプロスポーツビジネスや経営の向上などにより野球人気が復活し、各球団もファンを獲得したり、楽しませたりするために様々な取り組みをしています。
東京五輪も近づいてきて隆盛期といってよい今、同時に、今手放す親会社のブランドリスクも高まり、何をおいても経営に困って売りたいと思っている球団はないでしょう。ロッテを買収するのでは、という噂もありましたが、4.5兆円規模の企業であるロッテが球団を売却するというのは現実的ではありません。
となると、新しく球団を作るという話になるでしょう。
堀江貴文さんの意見も面白いが……。
堀江貴文さんもツイッターでおっしゃっていましたが、「16球団構想」というのは1つの手かもしれません。
ただ、球団を置く地方都市のマーケットはかなり飽和しています。また選手のレベルに関しても、独立リーグとNPBでは競技レベルの差があるのも事実です。エクスパンションによって競技レベルを維持できるかどうかということも考えると、現状のプロ野球の理念やビジョンに基づくプロ野球マーケットのままで新球団を作るのは、既存の12球団は前向きになり難いでしょう。
そこでパッと思いつくのは球団社長時代から思っていた、「NPBは、海外、特にアジア野球圏の中心になれるのか?」ということなのです。