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初手術の“悲劇”を経たライアン小川。
月間MVPを獲るまでの葛藤と練習。 

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浜本卓也(日刊スポーツ)

浜本卓也(日刊スポーツ)Takuya Hamamoto

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photograph byKyodo News

posted2018/07/14 08:00

初手術の“悲劇”を経たライアン小川。月間MVPを獲るまでの葛藤と練習。<Number Web> photograph by Kyodo News

6月のセ・リーグ月間MVPは小川と青木宣親。交流戦首位で好調だったヤクルトを表すような人選だった。

月間MVP獲得で完全復調を証明。

 七夕まで1カ月の6月。小川は完全に復調した。登板した4試合すべてで6回以上を投げ、2失点以下。先発投手の役割を全うし、3勝無敗で防御率1.08の好投で、球団初となる交流戦の最高勝率達成の原動力となり、自身2度目となる6月度の「日本生命月間MVP賞」も受賞した。

「初の手術で不安もあったし、今季どうなるのかなという思いもあった。チームのためにと思って投げていた」

 手術後のリハビリを乗り越え、はい上がってチームに貢献するという、小川の願望はかなった。球団初の栄誉をもたらす投球をできたことで、自分の中でくすぶっていた一抹の不安を一掃した。

 それでも、小川の最大の“願いごと”は、まだかなえられていない。前半戦は8試合に登板して4勝3敗、チームは勝率5割からの8連敗と失速し、34勝42敗1分けの最下位で終えた。ただ、首位広島とゲーム差9.5、2位巨人とは同3.5と、後半戦で巻き返す余地は十分に残っている。

 小川は「今まで通り、しっかり自分の投球を続けていって、チームを勢いづける投球をしたい。最後までケガなくチームを支えられるようにしたい」と逆襲を誓った。

 昨季の歴史的大敗という“悲劇”からはい上がり、下克上達成へ――。ファンの、チームの願いが秋の夜にかなっているかどうかは、完全復活へ歩みだしたエースの右腕に懸かっている。

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