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「すぐに若手選手を発掘するべき」
ベルギー戦後、トルシエからの提言。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byToshiyuki Takigawa/JMPA
posted2018/07/06 17:30
「2-0は危険なスコア」を身を以て味わった西野ジャパン。最後の失点は、日本サッカー史に残る教訓として永遠に語り継がれるはず。
次のW杯に向け、すぐに若手を発掘するべき。
――日本は今と同じ道をこれからも歩み続けるべきでしょうか?
「大きく変える必要はないが、選手の入れ替えは必要だ。次のワールドカップに向けて、何人かのベテランに代わる若手の発掘は不可欠だ。
長友や本田、香川、長谷部、川島らに代わる選手たちだ。まずアジアカップの準備から始めねばならないが、しかし日本は4年ごとにその力を示してきた。多くの選手がヨーロッパのビッグクラブでプレーし、日本国内にも才能溢れる選手たちが残っている。
今の日本は世界のトップ30に入っている。ワールドカップについては成功した大会もそうでなかった大会もあるが、誰も日本が世界のトップ10に入ることを期待してはいない。それに到達するにはまだまだやるべきことが沢山あるし時間もかかる。
このワールドカップで日本は、少なくとも世界のベスト16には入っていけることを示した。それは日本がクオリティの高いサッカーを実践していることの証でもある。コレクティブにも個の面からも、日本は得点をあげたし多くの得点機を作った。
もちろん後悔はある。ベスト8の席は用意されていた。しかし経験の欠如とナイーブさによりそれは成し遂げられなかった。
今すぐに変えることはできない。ただ西野監督は賭けに勝ち、わずかな時間でチームを構築したのは確かなことだ。そしてそのチームに自信を与えることに成功した。
日本はワールドカップにたしかな足跡を残した。
誰もが日本を忘れないし、サプライズを起こしたチームとして記憶に留める。それこそが日本の成功だ」
――メルシー、フィリップ。