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F1最大勢力に舞い戻ったフランス人。
10年ぶり母国GPにアレジも感動。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byMasahiro Owari
posted2018/06/29 07:00
3人のフランス人ドライバー。左からグロージャン(ハース)、オコン(フォース・インディア)、ガスリー(トロロッソ)。
接触事故が起きるもアレジは称賛。
スタート直後に、3人のフランス人ドライバー同士による接触事故が起きてしまったのだ。まずホームストレート上でグロージャンとオコンがサイド・バイ・サイドで接触。グロージャンはこれで5秒のタイムペナルティを受け、入賞圏外の11位に終わった。
グロージャンとの接触でフロントウイングにダメージを負ったオコンを、続く3コーナーでオーバーテイクしようしたのがガスリーだった。オコンも譲らない。2台はクラッシュし、そのままリタイアした。
レース後、3人は一様に落胆していた。「スタート直後の接触で、マシンにダメージがあった。ペナルティも受けた後、全力で頑張ったけど、あと少し足りなかった。ずっと不運が続いていて、いまは正直ちょっと辛い」(グロージャン)
「母国の観衆の前でレースをするのをずっと長いこと楽しみにしていたのに、たった3つのコーナーでレースを終えることになったんだから、今は悲しくて仕方ない。ファンの人たちが与えてくれたポジティブなエネルギーに『ありがとう』と言いたい」(オコン)
「フランスGPで、よりによって2人のフランス人ドライバーが接触するなんて……。こんなホームレースなんて望んでいなかった。いまの気持ちはとても言葉にならない」(ガスリー)
レース後、フランス人の元F1ドライバーのジャン・アレジはこう言った。
「これもレース。忘れてはいけないのは、3人がいたからこそ、フランスGPはここまで盛り上がった」
10年ぶりのフランスGP、重圧の中で戦ってくれた3人には、お疲れ様と言いたい。