マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
大学選手権で心が震えた剛腕2人。
則本級の快速球を持つ投手が!
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2018/06/26 17:00
大学野球選手権で好投を見せた苫小牧駒澤大・伊藤大海。2年生の伸び盛りだ。
爪が半分しか生えていない状態なのに。
この春、3月下旬、オープン戦の試合中にダグアウトのベンチが壊れてひっくり返り、据わっていた津森投手は転倒。地面に手をついて、右手中指をはく離骨折。その時痛めた爪は、ようやく半分ほど生えてきたぐらいのところで、大学選手権が始まってしまった。
痛み止めは使っているらしいが、それにしたって、体の先っぽの痛みほど気になって仕方ないのが“人間”であろう。
苫小牧駒澤大・伊藤大海とはまたひと味違った意味で「すげえヤツだ……」と、同様に、手の爪をはがしたことのある身としてあの痛みを思い出しながら、背中をゾクッとさせたものだ。
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共に、今、伸び盛りの大学生。
来たる「東京五輪」のメンバーがどんな構成になるのかわからないが、こんなイキのいい学生たちがその一員に加われるといいなぁ……などと、2年後の盛夏に思いをはせてしまっている今年の梅雨どきではあった。