福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
福西崇史が現地で見たW杯直前情報。
日本のプラス材料、優勝候補は?
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph byGetty Images
posted2018/06/14 18:00
パラグアイ戦でゴールを決めた乾は、長友らベンチメンバーの元へと駆け寄った。こういった行動の積み重ねが一体感を生むはずだ。
優勝候補筆頭は……やっぱりブラジル。
最後に今回の優勝国予想もしますね。僕はブラジルもしくはドイツが総合力で上回ると思っていましたが、ブラジルvs.オーストリアを観戦して、ブラジルが一番近い位置にいるかなと感じます。
この試合では負傷から復帰したネイマールが足裏タッチからのファインゴールを決めました。そのシーンをまさに目の前で見ていて、思わず「やっぱりネイマール、すごいわ」と言ってしまいました(笑)。しかも、4年前と比べてチーム全体が“ネイマールだけ抑えておけばいい”というレベルではなくなっている。
ネイマールだけでなくコウチーニョも1人でゴールまで打開できるし、どこからでも攻撃のスイッチを入れられる強みがある。ちょっと攻め込まれる場面があったのは事実ですが、今のサッカーはゴールに迫るスピード感が求められるだけに、ブラジルの攻撃力は他国にとって脅威になるでしょうね。
ブラジルやドイツなどの優勝候補は決勝までの7試合を見据えて戦うでしょうが、日本はまずグループリーグ3試合、そして決勝トーナメント進出することに集中してほしい。期待と覚悟を背負って勝利を目指すことはもちろん、4年に1度のW杯、1人のサッカー選手として思う存分楽しんでピッチに立ってほしいと思います。
(構成・茂野聡士)