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イタリア新時代を託されたマンチーニ。
バロテッリ復帰と若き才能たちの登用。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byGetty Images

posted2018/06/13 10:30

イタリア新時代を託されたマンチーニ。バロテッリ復帰と若き才能たちの登用。<Number Web> photograph by Getty Images

インテルでデビューさせ、マンチェスター・シティではともに優勝を勝ち取ったバロテッリを、新監督マンチーニは4年ぶりに代表復帰させた。

W杯で見たかったオランダとの熱戦。

 マンチーニは一級の戦術家でもモチベーターでもない。戦力を発掘し組み合わせながら、最適な戦い方を見出すセレクター型の指揮官として実績を残してきた。

 最初の代表合宿で、元ファンタジスタの新監督が選手たちに要求したのはシンプルなことだった。

「集中することだけを考えろ。そして、楽しめ!」

 6月4日のオランダ戦で新生アズーリは見違えるようなゲームを展開した。

 やはりW杯出場を逃しクーマン監督新体制で再建中のオランダを雨模様のトリノに迎えた新生アズーリは、粗削りながら攻めに攻めた。

 27歳の誕生日にキャプテンマークを巻いたFWインシーニェと右ウイングに抜擢されたFWベルディが躍動し、前半だけで少なくとも5度の決定機を作った。

 途中出場のFWザザが67分に先制点を奪った直後、DFクリシートが一発退場に。10人となったアズーリは最終的に1-1のドローに追いつかれるが、不屈のGKペリンを中心に守備の国の意地を見せた。

 試合後には対戦したオランダの選手たちから「イタリアはEUROの優勝候補になりうる」という声すら挙がった。あくまでテストマッチであることはわかっていても、“W杯決勝トーナメントで見たかった”と思わせる熱戦だった。

「俺達イタリアは再出発するんだ」

 3連戦を通してプレーしたFWベロッティは、未だロシア大会の予選敗退の傷を抱えている。それでも考えていたことがあった。

「プレーオフ敗退はあの予選を戦った全員の喉につっかえたままだ。思い出すだけで憂鬱な気分になる。だからこそ新しい代表の最初の試合で“俺達イタリアは再出発するんだ”という気持ちを見せたかったんだ」

 もちろんマンチーニがこれから解決すべき課題は多い。

 中盤の不安定さやグラウンド外の話題に事欠かないFWバロテッリの処遇問題、ドンナルンマで決まりかと思われていた正守護神争いの混沌化など、地元紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が指摘するように「まだまだ道のりは長い」のだ。

【次ページ】 キエーザの息子が若手台頭の象徴に。

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