松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹、全米までに復調なるか。
「練習の虫」が気づいた原点とは。
posted2018/06/06 08:00
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Sonoko Funakoshi
メモリアル・トーナメントを首位発進しながら、最終日を13位タイで終えた松山英樹。いろいろ課題が「残りました」と悲痛な面持ちで頷いた松山に、残酷な質問を投げかけてしまった。
今季2つ目のメジャー、全米オープンまで中1週間。「残った課題の克服は全米オープンまでに間に合わせられそうですか?」
「たぶん無理です」
尋ねられたから、彼はとにかく、そう答えた。しかし、それから数時間、いや一晩明けた今も、そのやり取りを何度も反芻し、そして思う。
愚問だったな、と。
ショットに「まだ自信が持ててない」。
メモリアル・トーナメントは松山が2014年に米ツアー初優勝を挙げた思い出の大会だ。帝王ジャック・ニクラスが設計した難コースのミュアフィールドビレッジで今年の松山は初日から好発進した。フェアウエイを捉え、グリーンを捉え、決め手のパットを次々に沈め、前半で3つスコアを伸ばすと、後半は5ホールで6つスコアを伸ばす快進撃。7アンダー、65をマークし、久しぶりにリーダーボードの最上段に「MATSUYAMA」の名を連ねた。
2日目は大きくスコアを伸ばすことはできなかったものの、この日もショットは高い正確性を誇り、1アンダーで回って4位タイで決勝へ。
「2日間で8アンダーは満足です」
しかし、数字に満足感を示した一方で、ショットの感触には「まだ自信が持ててない」「いいか悪いか、付けられない」と、まだまだ不安要素があることも松山は明かした。
そして3日目は、その不安が現実化したかのようにショットが乱れ、それでも1アンダーで回ったところはさすがだが、「今日はマイナス100点ですよ、ショットは」と言い切るほどだった。