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大谷翔平の好調とトーレスの台頭。
新人王争いに強力な対抗馬出現か? 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2018/05/26 08:00

大谷翔平の好調とトーレスの台頭。新人王争いに強力な対抗馬出現か?<Number Web> photograph by AFLO

相変わらずのペースで投打ともに活躍する大谷翔平。この活躍が続けば、新人王争いにも顔を出してくる。

終盤、ポストシーズンこそ本領発揮の時。

 となると、オールスター(7月17日。ワシントンDC)前の交流戦登板は、6月18日の対ダイヤモンドバックス戦(ホーム)に限られてきそうだ。ソーシア監督は、大谷のナ・リーグ球場での交流戦登板、ひいては投手・大谷を打席に繰り返し送り込む負担を、なるべく避けているのだろうか。

 大谷を大事に使いたいという意味では、この「スライド」は合理的といえなくもない。6月以降の対戦予定相手を見ると、ロイヤルズが2試合とマリナーズが3試合。マリナーズはすでに1度抑えているし、勝率3割台に呻吟する今季のロイヤルズは、そんなに怖い相手ではない。しかも、7月10日の対マリナーズ戦に投げれば、17日のオールスターまでにはちょうど1週間の休みも取れる。

 というわけで、大谷の投打にわたる八面六臂の活躍ぶりを見られるのは、シーズン終盤、ポストシーズン進出争いが激化してからと見るのが妥当かもしれない。

田中以上に楽しみだったトーレスとの対決。

 それにしても残念なのは、27日の対ヤンキース戦登板回避だ。田中将大との投げ合いにも興味はあったが、私がもっと期待していたのは、売り出し中の新人二塁手グレイバー・トーレスとの対決だった。

 トーレスは、ベネズエラ出身の21歳。今年の4月22日に大リーグにデビューして以来、88打数29安打7本塁打(5月22日現在)と、大谷をしのぐ打撃成績を残している。とくに5月21日、24歳近く年長のバートロ・コロン(コロンが大リーグにデビューしたとき、トーレスは生後3カ月だった)から2本の本塁打を連発したシーンは圧巻だった。大谷の新人王を阻むとすれば、ア・リーグではこの選手しか思いつかない。

 そんなトーレスを相手に、大谷はどんな投球を見せるのか。一方のトーレスは、どれほど激しく闘志を燃やして大谷に挑んでくるのか。興趣は尽きなかったが、楽しみは先に取っておこう。順調に伸びれば、今後の両者には長期にわたる勝負が待っているはずだ。見る側も焦らず、彼らのライバル関係に注目していこうではないか。

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グレイバー・トーレス

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