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大谷翔平の好調とトーレスの台頭。
新人王争いに強力な対抗馬出現か? 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2018/05/26 08:00

大谷翔平の好調とトーレスの台頭。新人王争いに強力な対抗馬出現か?<Number Web> photograph by AFLO

相変わらずのペースで投打ともに活躍する大谷翔平。この活躍が続けば、新人王争いにも顔を出してくる。

宝の持ち腐れ状態がつづけば……。

 大谷のファンはさぞかし歯がゆい思いをしたことだろうが、マイク・ソーシア監督も頭が痛かったにちがいない。サヨナラの好機に大谷を送り込みたいのはやまやまだが、そのことで大器のリズムを狂わせては元も子もない。

 そもそも、アメリカ野球には「目先の利益を求めすぎる」という批判が昔からついてまわる。ソーシア自身、その愚を犯すことだけはなんとしても避けたいと考えているにちがいない。ただ、宝の持ち腐れという状態がつづけば、フラストレーションはつのる一方だ……。

 打者としての大谷は、5月22日現在、25戦に出場し94打席87打数27安打、打率3割1分、OPS=.959の好成績を残している。エンジェルスの歴代有力新人を思い出してみても、デビュー後の25戦でこれを上回る成績を残したのは1986年のウォーリー・ジョイナーぐらいだ。

 ジョイナーはデビュー25戦で104打数35安打本塁打8本、打率3割3分7厘、OPS=1.001の数字を残した。シーズンを通しても、打率2割9分、本塁打22本、OPS=.805。新人王こそ、本塁打33本を放ったホゼ・カンセコに持っていかれたものの、当時つぎつぎと出現した「ヤング・スラッガーズ」の一員として旋風を巻き起こしたことは記憶に鮮明だ。

スライドで7月のドジャース戦回避か。

 では、投打ともにめざましい活躍(投手としては7試合で40回3分の1を投げ、4勝1敗52奪三振、防御率3.35)を見せている大谷は、今後どのように起用されていくのか。

 だれしも脳裡に思い描くのは、ナ・リーグの球場で行われるインターリーグ・プレー(交流戦)で、投手として打席に立つケースだろう。

 ここまで大谷は、中6日のペースを守って先発登板してきた。この調子で行くと、次回登板は5月27日の対ヤンキース戦(ロード)になるはずだったが、ソーシア監督は1日ずらして、28日の対タイガース戦(ロード)での先発を予告した。

 この「スライド」によって、7月8日(ホーム)と15日(ロード)に予定されていた対ドジャース戦(交流戦)での大谷の登板は、回避されることになった。27日の対ヤンキース戦といい、7月の対ドジャース戦といい、観客としては楽しみを奪われたような気がしないでもない。

【次ページ】 終盤、ポストシーズンこそ本領発揮の時。

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