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部活週休2日制に都立の強豪校は?
「夏休みにまとまった休みは無理」
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2018/04/06 16:30
強豪校になると週末=試合。サッカークラブ顔負けのスケジュールをこなしている。
平日を避ければ週末がさらに過密日程に。
また学校に試合を開催できるグラウンドがあるかも、部員の負担に直結する。都東久留米総合のグラウンドは人工芝が敷かれており、試合会場として使用できる。
その一方で齋藤氏は、ピッチを持たない高校の大変さもこう教えてくれた。
「例えば水曜日の夜に公式戦をやる場合、『できる限りいいピッチを使いたい』と、学校から離れた会場を予約して、18時キックオフのナイターで試合をすることがあります。
ただ放課後に移動して、試合が終わるのは20時過ぎ。片付けなどをして完全撤収は21時くらいです。そこから22~23時に帰宅して、次の日の朝早くから授業……となれば、選手には大きな負担ですよね」
この問題を解決するため、平日ナイターは極力避けよう、という流れはできつつあるが、そうすれば週末のさらなる過密日程は避けられない……というジレンマも生まれる。
部活が中高生の生活で大きな割合を占めているのは確かだし、それを適正なサイズに調整したいという方向性は多くの人が同意するところ。しかしその具体的な方法はまだ手探り、というのが現状なのだろう。
誰もが「部活って、ホント楽しいよね」となるくらいの環境が整えば――。齋藤氏の言葉からひしひしと感じたことだ。