プロ野球亭日乗BACK NUMBER
6回3安打3失点。大谷翔平が
初被弾後に見せた「クオリティ」。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byGetty Images
posted2018/04/02 12:05
メジャー初登板の大谷翔平。160キロのフォーシーム、142キロのスプリットなど、メジャーファンに対して上々のデビューとなった。
「1番から9番まで」HRが打てる選手が揃う。
打たれた瞬間にマウンド上で「アッ!」という表情を見せたが、後の祭りだった。
逆転の3ランである。
「やっぱり自分の思うようにいかない球は……外野のフェンスを越える打球を打てる選手が1番から9番までいると思います」
2日前にブルペンに入ったときには、メジャーの打者の印象をこう語っていた。まさにそのままの打球を打たれた格好だ。
「内容は良かったんです。追い込み方も良かったですし。ただ、追い込んだ後の決め球が甘く入ってという形が続いた。(ホームランも)甘く入ったスライダーを打たれたという感じなので……。
全体的には悪くはなかったですけど、やっぱり要所で長打のあるバッターに対して、ああいうところに投げてしまったというのは反省するところかなと思います」
そこが悔やまれる。
試合の流れを意地でも相手に渡さぬよう……。
ただ投球内容に関しては、この回もある程度、納得した部分はあった。しかしそれ以上に悔やまれるのは、先制点をもらった直後に失点してしまったこと。
それがこの試合での、メジャー初マウンドでの最大の反省点だった。
「先制点を取ってもらった直後に逆転されてしまうというのは、流れ的にすごく良くないし、勝てる投球ではないのかなという感じはした。
ただ次に逆転してもらった時にしっかり抑えられたというのは、しっかり切り替えられたというのは良かったと思います」
だからこそ3回以降はフォークを多投して、ゲームの流れを意地でも相手に渡し切らなかった。そここそがこの日の登板の最大の収穫でもあったのだ。