濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
K-1を背負う“覚悟”の勝利か。
武尊、圧巻の3階級制覇!!
posted2018/03/24 11:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Takao Masaki
“新生K-1史上最大のビッグマッチ”と謳われたさいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ大会(3月21日)は、会場の大きさだけでなく試合数も含めて超特大のボリュームだった。
チャンピオン、人気選手をこれでもかと投入し、実に本戦19試合である。
本戦前のプレリミナリーファイト(前座試合)、トーナメントのリザーブ戦を含めれば24試合。超満員札止めの観客も、さすがに最初から最後まで集中して観戦するのは難しかったのではないか。
といって、大会の印象が散漫だったというわけでもないだろう。スーパー・ライト級初代王者のゲーオ・ウィラサクレックをKOした平本蓮、久保賢司をまったく寄せ付けずに倒しきった武居由樹(スーパー・バンタム級王者)など、インパクトのある試合が多かったのは間違いない。卜部功也はウェイ・ルイを左ストレート一発で沈め、ライト級王座を獲得。2階級制覇を達成した。
「挑戦」のための階級アップに伴う苦しみも。
そんな中で、やはり最後にリングの中央に立っていたのは武尊だった。
新生K-1を牽引してきた最大のスターは、スーパー・バンタム級、フェザー級に続いて、この日スーパー・フェザー級(-60kg)のベルトも巻いた。しかも、3階級すべてトーナメントを制しての戴冠である。
実際には、今でも武尊のベスト階級はフェザー級(-57.5kg)だという。増量のため「試合1カ月前までは吐き気がするくらい食べたり、アメリカに練習に行った時は毎日ステーキ1kgとか食べてました」と振り返る。
そこまでして階級を上げたのはなぜかといえば「挑戦」のためだと武尊は言う。守る試合では燃えないし、ファンも面白くないはず、というわけだ。