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二刀流の調整は、時間が2倍必要だ。
大谷翔平が開幕に焦る必要はない。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2018/03/21 07:00
春季キャンプもいよいよ終盤。29日オークランドでの開幕戦まで、あと10日を切った。
二刀流調整には一般の練習期間では足りない。
だが、そもそも論として、メジャー1年目の二刀流調整は、約6週間のスプリングトレーニングの期間では圧倒的に時間が足りない、無理がある、と個人的には感じている。
一般論として、先発投手はオープン戦の期間中、およそ6、7試合実戦で登板する。
キャンプインから遡れば、この間に行われるマウンドやブルペンでの投球練習は10度程度。そして投手は毎日キャッチボールを行い、ボールとマウンドへの対応をはかっていく。
打者ならば、毎日の打撃練習でバットを振り込み、オープン戦での打席数は60打席から80打席に達する。
ダルビッシュや田中将大をはじめ、過去の日本人先発投手たちはメジャー1年目の春キャンプで毎日ボールを投げ、そうすることで適応の壁と向き合ってきた。
打者にしても同様だ。イチローも松井秀喜も毎日バットを振り込み、間合いが短いメジャー投手のタイミングにアジャストしていった。
だが、二刀流・大谷に同じ環境はない。
まだ一般選手の半分以下しか消化できていない!?
投手で考えれば、週に1回の実戦登板となると、最大5試合にしか投げられない。その上に登板翌日はリカバリーのためにボールは投げない。圧倒的に数が足りない。
3月18日の時点で、先発と目される投手は5試合に登板し、20イニングほどにまで投球回数を伸ばしているが、大谷は4試合、8回1/3にしか達していない。
また、打者では60打席まで数を増やしている選手がいるが、大谷はまだ28打席しか立てていない。対戦相手の仕上がりが進む中で、大谷のそれが同じ速度で進んでいない現状では、オープン戦のこの成績も仕方がない。
つまり……。
二刀流の課題は「時間と数が足りない」ことに尽きるのではないだろうか。