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ルメール×藤沢和雄の黄金コンビ再び。
オブセッションで狙う2年連続の栄冠。

posted2018/03/14 07:00

 
ルメール×藤沢和雄の黄金コンビ再び。オブセッションで狙う2年連続の栄冠。<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

外から楽々と差し切ったシクラメン賞の走りを出せれば、オブセッションは十分にクラシック候補の一角だ。

text by

平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Keiji Ishikawa

 5月27日に東京競馬場で行われる競馬の祭典「日本ダービー」。
 世代のナンバーワンを決める1戦へ向けて、続々と注目馬が登場している。果たして、栄光をつかむのはどの馬なのか。この連載では、毎回、期待の新鋭をピックアップ。その知られざる馬と人との物語をお届けします。第4回は昨年レイデオロでダービーを制した藤沢和雄厩舎期待の1頭オブセッションのストーリーです。

「次走以降については未定とします」

 管理する調教師の藤沢和雄が、一時は今後の予定を白紙としたのがオブセッションだ。
ダノンプレミアムやワグネリアンに続いて単勝4.7倍の3番人気に支持された弥生賞は、まさかの7着。逆転の期待を託された関東馬に、果たして何が起きたのか……。

 父ディープインパクト、母パーシステントリー、全姉に紫苑S(GIII)4着などの成績をおさめたパーシーズベストを持つオブセッションがデビューしたのは2017年10月21日。東京競馬場の芝2000mだった。

道悪の初陣に続く2戦目はレコード勝ち。

 当日の天候は雨で馬場状態は重。レースは前半1000mの通過ラップが66秒4。2歳の新馬戦で、ある程度の距離のレースにはありがちなスローペースではあるが、それにしても遅い流れだった。

 しかし、オブセッションはこの遅い流れを道中、我慢すると、最後は見事に差し切って新馬勝ちを収めた。

 2戦目は12月2日の阪神競馬。芝1800mの2歳500万下条件であるシクラメン賞は、初戦とは一転して開幕週の綺麗な馬場状態でのレースとなった。今度は1000m通過が59秒1のレースとなったが、ここも見事に差し切った。しかも勝ち時計1分45秒6のレコードで走破してみせたのだ。

「阪神への輸送ということもあり、どういう競馬になるかと心配もありましたが、こちらの考えていた以上に強い競馬をしてくれました。異なるペースに対応できたところにこの馬のセンスを感じましたね」(藤沢調教師)

【次ページ】 古馬相手にも楽に動けるようになった。

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