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森岡隆三監督が語る2年目のJ3攻略。
鳥取に「悪くない」はもう要らない。
text by
森岡隆三Ryuzo Morioka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/03/09 17:00
トップチームの監督としてはキャリア2年目の森岡隆三。開幕戦の相手は三浦泰年が率いる鹿児島ユナイテッドだ。
今季は選手間の化学反応に期待できる。
2004年に来日し、ガンバ大阪の初優勝に貢献したフェルナンジーニョの復帰も大きい(私も2008年、京都サンガではチームメイトだった)。昨年はブラジルでプレーし、引退を決意していたものの、鳥取に戻ってきてくれた。7クラブ11シーズンを日本でプレーした彼は、ブラジル人と日本人とのパイプ役になってくれている。
そして、GK北野貴之の加入も大きい。生まれながらのリーダーシップを発揮して、今ではチームのまとめ役だ。
今季は、選手間でいいコミュニケーションがとれているから、面白い化学反応を期待できるだろう。
そんなチーム、選手個々との接し方について、私は昨年の経験からより深く考えるようになった。
昨季気がついた、指示の量問題。
昨季は序盤こそ調子良かったが、一旦勝利から遠ざかると、その後はまさに『出口の見えないトンネル』を彷徨っているようだった。そんな時期を振り返って、気づいたことはいくつかある。そのひとつが、選手に対して私が発する言葉であり、そのボリュームだ。
新人監督としての気負いや焦りがあったのか、ついつい必要以上に選手たちに指示を与えてしまっていたのではと思う。それがチームカラーの確立ではなく、選手たちを『型』にはめてしまうことに繋がり、選手自身が考える「余白」を奪い、個でもチームとしても、柔軟な対応を出来なくしてしまっていたのではないだろうか。
ピッチの外から指摘するのは、ある意味、簡単なことだ。
そして、どんなに指示を出したところで、プレーをするのは選手。彼ら自身で考え、判断し対処しなければ、ゲームを変えることはできない。
「なぜ、こういうプレーになったのか?」を自分で考えることが成長に繋がる。そして、選手同士がコニュニケ―ションをとることで、チームは進化する。
私がチームを引っ張っていかなくてはならないという気持ちが強すぎたのか、もしくは自分ならチームを変えられると慢心があったのかもしれない。しかし、選手たちを信じて託すことの大切さを今、強く感じている。