パラリンピックへの道BACK NUMBER
平昌パラリンピックの見どころは?
金メダル候補も続々、日本の超人達。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph bySportsPressJP/AFLO
posted2018/03/08 08:00
2月に開催されたジャパンパラアルペンスキー競技大会・男子大回転での森井大輝。その豪快な滑りにファンも多い。
小池岳太、高橋幸平らの活躍に期待。
立位のカテゴリーには男子では3選手が出場する。
小池岳太と三澤拓にとっては4度目の大舞台となる。小池は、ソチでは初めて2種目で一桁順位に入るなど着実に成績を伸ばしてきた。三澤も入賞だけに満足せず、今大会では五輪での初メダルを狙うと宣言している。2人とも、これまでの経験を檜舞台で生かすことができるかどうかが肝になる。
高橋幸平は17歳でつかんだ初めてのパラリンピックとなる。
早くから森井らトップクラスの選手に教わる機会を得て、順調に伸びてきての今大会。その勢いのまま、まっすぐに挑んでほしい。
ソチの雪辱、ラグビーと両立など思いも様々。
女子にも楽しみな選手がいる。
村岡桃佳は、17歳で出場したソチに続き、2度目の五輪出場となる。
ソチでは大回転で5位入賞を果たしている村岡は、昨シーズンのワールドカップ3種目で金、銀、銅と3つのメダルを獲得した。
「あまり納得のいかない結果で終わりました」と振り返るソチでの思いを晴らすために、開会式の旗手を務める平昌では5種目に出場、好成績を目指す。
立位のクラスに出場する本堂杏実は、ユニークな経歴を持つ。
左手5本の指が欠損している本堂は、小学校入学前からラグビーに打ち込み、18歳以下の日本選抜の試合で出場経験もあるなど、長らくラグビーでの活躍を続けてきた。
日本体育大学に入学後、パラリンピックの競技に誘われ、もともと好きだったスキーに取り組んでみたところ……競技歴が浅いにもかかわらず見事、大舞台の切符をつかむこととなった。いまでは、ラグビーとスキーという2つの競技で、トップを目指そうとしている。
刻んできたキャリアはそれぞれに異なる。それでも、より速く、という思いは変わらない。この日まで、サポートスタッフも含め、一丸となって歩んできた彼らの滑りを楽しみにしたい。