パラリンピックへの道BACK NUMBER
平昌パラリンピックの見どころは?
金メダル候補も続々、日本の超人達。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph bySportsPressJP/AFLO
posted2018/03/08 08:00
2月に開催されたジャパンパラアルペンスキー競技大会・男子大回転での森井大輝。その豪快な滑りにファンも多い。
トヨタが開発した最新のチェアスキー。
今シーズンは海外勢のレベルも高く、ワールドカップでは拮抗した勝負が繰り広げられてきた。
森井のシーズン最初の優勝が今年1月半ばの大会であったこともそれを物語っている。それでも、長年、第一線で戦う中で身につけた技術や経験は他の追随を許さない。
また、トヨタのエンジニアたちが約2年をかけて、チェアスキーの軽量化と耐久性など性能の向上に取り組み完成させた。悲願の成就のために、滑り降りる。
ソチで金メダルの狩野と鈴木は?
狩野亮は、初めて出場したトリノ大会から数えて4度目のパラリンピックとなる。
バンクーバーではスーパージャイアントスラロームで金メダル、ダウンヒルで銅メダル、ソチではこの両種目で金メダルを獲得した。
雪質もあって、完走者自体が少ないサバイバルレースとなったソチでの、ぎりぎりまで攻めたライン取りをはじめ、限界に挑んだ滑りは印象的だ。持ち味の果敢なアタックで、2大会連続金メダルを狙う。
ソチ大会ではもう1人、金メダルを手にした選手がいる。
鈴木猛史である。
もともと技術系を得意としており、スラロームの種目ではついに表彰台の真ん中に立った。ソチ五輪後は、さらに高速系の種目でも飛躍を期して練習を続け、今日まで歩んできた。その成果をしっかり見せて、連覇を狙いたいところだ。
そのほか、座位のカテゴリーでは夏目堅司が3度目の出場。30歳での事故を経て、この競技に打ち込むようになった選手だ。これまでも、ずっとナショナルチームの一員として活躍してきた。平昌で、さらなる飛躍を楽しみにしている選手の1人である。