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パラアイスホッケーの61歳・福島忍。
医師に言われた「良い方なんだよ」。

posted2018/03/10 09:00

 
パラアイスホッケーの61歳・福島忍。医師に言われた「良い方なんだよ」。<Number Web> photograph by Kyodo News

最終予選でもほぼ1人でゴールを守った61歳の福島忍。ライバルの望月和哉が36歳だが、負けるつもりはない。

text by

神津伸子

神津伸子Nobuko Kozu

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Kyodo News

 人間はいったい何歳まで成長出来るのだろうか。

 平昌パラアイスホッケー代表チームのゴーリー(ゴールキーパー)の福ちゃん、こと福島忍は、61歳。

「この局面に来て、今でも“プレーの質を上げているの”が凄い」(信田憲司コーチ)

 バンクーバーパラ五輪で銀メダルを獲得したこのチーム、当時からの選手も「チーム状態はあの時に似ている」と言う。

 選手の平均年齢は41.9歳と、他国よりかなり高めの日本代表。メダルを獲得して、同年代にも元気をもたらして欲しいものだ。

 パラアイスホッケーとは、下肢に病気や事故などで障害を持つ人たちも競技出来るように、アイスホッケーのルールを一部変更して行うスポーツ。以前は、アイススレッジホッケーと呼ばれていた。

 スレッジという大きなスケートの刃を2枚付けた専用のソリに乗り、両手にスティックを1本ずつ持ってプレーする。スティックは先端にアイスピック、反対の先にブレードがついていて、上下持ち替えながらアイスピック側で漕いで前進し、ブレード部分でパックを操作してパスを出したり、シュートを放つ。

 プレー中の選手がとても氷面に近いため、パックを扱うスティックはアイスホッケーに比べて短く、長さは1m以内。リンク、ゴールポストやパックも、アイスホッケーと同じ物を用いる。1ピリオド15分で、3ピリオド制。

アメリカではソチの決勝を地上波生中継。

 右手のスティックから左手のスティックへと、アイスホッケーにはない自分から自分へのパスといったプレーができるのも、パラアイスホッケーの特徴だ。

 スピード感に溢れ、激しい当たりで激突する。氷上の格闘技と呼ばれるアイスホッケーの魅力に加え、大きな音を立てながらスレッジがぶつかり合うので、迫力満点だ。

 競技の発祥は1960年代のスウェーデン。アイスホッケーが盛んな国であり、福祉への意識も高いとあって、障害があってもアイスホッケーを楽しみたい人々の競技として考案された。

 '60年代後半からヨーロッパ諸国にも伝わり、国際大会が開催されるようになった。'94年のリレハンメル大会からパラ五輪正式種目に採用。アイスホッケーは世界的には人気競技であり、ソチの時にはアメリカ3大ネットワークの1つNBCテレビが、決勝戦を地上波で生中継したほどである。

【次ページ】 韓国、アメリカ、チェコと同組に。

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