“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
U-17、U-20のW杯に出続けること!
森山佳郎U-16代表監督の深い覚悟。
posted2018/03/01 07:30
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
サンフレッチェ広島ユースを日本トップレベルの育成組織に引き上げ、昨年は日本代表を率いてU-17W杯を戦った森山佳郎監督。
熱血漢であり、かつ選手達の言動を観察しながら必要十分な刺激を与えることができる「名伯楽」である。
“気持ちには引力がある”
広島ユース監督時代に残したこの格言は、森山監督の信念として有名になった。
「相手に勝ちたい」「ライバルに負けたくない」「ゴールを決めたい」「ゴールを守りたい」「ボールを奪いたい」など、様々な戦いへの意欲がプレーに現れた瞬間、ボールやゴール、勝利が自分達の下に引き寄せられる――ということを指す。
森山監督は今、この信念のもと新たな原石達を見つめている。
今年9月にマレーシアで開催されるAFC U-16選手権に挑むU-16日本代表を率いているのだ。
このチームのファイナルターゲットは来年のU-17W杯(開催地未定)。要するに2大会連続でこの年代の指揮を執ることになっているのである。
「『監督はいらない』と言うくらい……」
森山監督がこの年代の選手たちに植え付けるのは、技術的、戦術的な部分に加えて「日の丸を背負って戦う覚悟」である。
日本を代表してピッチに立つ、プレーをすることに誇りを持ち、かつ勝利に向けて全力を尽くす……そこに驕りなどという言葉は一切存在しない。個々の選手がしっかりと自立し、責任を持って最大限の力を発揮する。そうなって初めて「気持ちには引力がある」という格言のベースができるのである。
「彼らに要求しているのは、『自分たちで編み出せ』ということです。『監督はいらない』と言うくらい選手が自立してくれたら、サッカーIQの高い選手になってくれたら、僕は必要ないと思います。そのレベルまで行って欲しい」
前回のU-17日本代表はまさにそれができたチームだった。