ROAD TO THE DERBY 2018BACK NUMBER
オウケンムーンはダービーを目指す。
父は菊花賞馬、鞍上は北村宏司。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byPhotostud
posted2018/02/21 07:30
共同通信杯を6番人気から勝利したオウケンムーン。北村宏司にとってもダービーは悔しい思いが募るレースだけに、期すものは大きいだろう。
ダービーの特別さに気づいた2000年の初騎乗。
北村が初めてダービーに参戦したのは2000年。マイネルブライアンに騎乗し、最下位18着に終わった。
「ダービーが権威のあるレースであることは当然、分かっていました。ただ、初騎乗を果たす前までは他のGIとの大きな違いに気付いていませんでした。漠然と凄いレースと思っていただけでした」
ところが、乗ることが決まると、なぜ皆が「ダービー」「ダービー」というかが分かった。
「何週も前から雰囲気が違いました。1週前のオークスが終わると周囲の皆が『よし、ダービーだ!』となりました。自分が騎乗することになって初めてそういう空気を知ることができました」
これまでにダービーには7回騎乗した。'15年にはキタサンブラックで参戦。しかし、本格化前の同馬との14着を含め、これまではすべて二桁着順に終わっている。そろそろ勝負圏内に食い込みたい気持ちは当然あるだろう。
「とくに今回はデビュー当初から乗せていただいている国枝調教師の馬ですからね。厩舎のスタッフも皆、ずっと応援してくれているのも分かっているので、その気持ちに少しでも応えたいという想いを持っています」
単純にそう想っているだけではない。指揮官を始めとしたスタッフとのコミュニケーションもとれていると言う。その風通しの良さも味方にして、オウケンムーンはクラシック戦線に挑む。まずは皐月賞へ直行。そして続くターゲットはもちろんダービーだ。