ROAD TO THE DERBY 2018BACK NUMBER
オウケンムーンはダービーを目指す。
父は菊花賞馬、鞍上は北村宏司。
posted2018/02/21 07:30
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Photostud
5月27日に東京競馬場で行われる競馬の祭典「日本ダービー」。世代のナンバーワンを決める1戦へ向けて、続々と注目馬が登場してきている。果たして、栄光をつかむのはどの馬なのか。この連載では、毎回、期待の新鋭をピックアップ。その知られざる馬と人との物語をお届けします。
第1回は2月11日の共同通信杯(GIII、東京、芝1800m)を制したオウケンムーンです。
2月11日に行われた共同通信杯、直線で抜け出し3連勝。一気にクラシック候補に名乗りを上げたのがオウケンムーンだ。
「この馬が当歳(0歳)の時、オーナー(福井明)に『牧場で見てきてください』と言われ、見に行きました」
そう口を開くのは同馬を管理する国枝栄調教師である。
「当歳なので走るかどうかまでは分かりませんでした。ただ、悪い印象は受けなかったのでそのまま伝えました」
その結果、国枝がこの馬を預かることになった。
菊花賞馬の父の2世代目。
父は2008年の菊花賞馬オウケンブルースリ。オウケンムーンは同馬の2世代目の産駒となるが、初年度産駒からはこれといった活躍馬は出ていない。
「産駒がどんな特徴に出るかは正直、分かりませんでした。でも、兄のルナプロスペクターがそれなりに成績を残していた(JRAで3勝)ので、走ってくれるんじゃないかな? という気持ちは持っていました」
父であるオウケンブルースリよりも、母ムーンフェイズの血を頼りにした胸の内を明かし、国枝はさらに続けた。
「入厩前も入厩後も順調でした。しいていえば(昨年9月の未勝利戦に勝って)1勝した後、東京スポーツ杯(同11月)を使おうと思った時に少し腰に疲れが出て、踏み込みのバランスが今一つになったくらい。そこで放牧に出したら、帰厩させた時にはすっかり良くなっていました」