フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
団体戦で見えたフィギュアの最新情勢。
カナダ優勝の理由と日本5位の意味は?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2018/02/13 17:00
メダル候補のライバルたちに転倒が相次ぐなか、安定した演技で唯一の100点台を叩き出した宇野。
須崎&木原ペアもベスト演技で日本3位スタート。
男子の後に行われたペアSPは、日本代表の須崎海羽&木原龍一がほぼノーミスの演技を滑りきって自己ベストスコアを手に。
「このオリンピックという大きな舞台で、今シーズン一番いい演技ができた」と、木原は嬉しそうにコメントした。
10チーム中8位とはいえ、上の7組はGP大会で表彰台に上るランクのペアばかり。勝てるチームにはしっかり勝って日本チームに貢献した。
1位になったのは、ロシアのエフゲニア・タラソワ&ウラジミル・モロゾフだった。
ラフマニノフ『ピアノ協奏曲2番』の大曲の調べにのって、貫禄のある演技をノーミスで滑り切った。カナダのミーガン・デュハメル&エリック・ラドフォードが2位、ドイツのアリオナ・サフチェンコ&ブルーノ・マッソが転倒1回で3位という結果になった。
団体戦初日は、カナダ1位、アメリカ2位、そして日本は3位という好調なスタート。
順位的には日本は男子1位、ペア8位で、男子8位ペア1位だったロシアと同点。タイブレークは、両方のスコアの合計で決定された。
第2日目 女子とアイスダンスで見えた大勢。
1日間をおいて2月11日、今度は女子SPとアイスダンスのショートダンスが行われた。
宮原知子は『SAYURI』のSPですべてのジャンプをミスなく降りたように見え、本人も嬉しそうにガッツポーズも出た。だが68.95と思いのほか低い点が出ると、キス&クライに座っていた宮原の表情が凍り付いた。
冒頭の3ルッツ+3トウループで、どちらのジャンプも回転不足の判定をとられていたことが判明。
「演技自体は良かったので点数とかは悔しいけれど、スタートとしてはまずまずです」
と演技後にコメントした。
宮原のスコアが伸びなかった理由とは?
自身も元スケーターで米国の人気スケートライターであるジャッキー・ウォンは、宮原の判定についてこうコメントした。
まずコンビネーションジャンプについては、
「自分には問題なく見えたが、判定用のモニターで見たわけではない」と控えめに、疑問を提示。
「ただ全体的に、この大会の女子の判定は正確だという印象を受けていた」と付け加えた。さらに、宮原のコンポーネンツが伸びなかった理由について、「怪我から回復してから以前よりも少しリンクの使い方が小さくなった印象。それがコンポーネンツに影響したのでは」と分析した。