立浪和義の名言
今は最先端のトレーニングなどで選手の体力、技術は上がっています。褒めて伸ばす時代とも言われます。ただ、星野さんのように厳しさで伸ばす、怒って愛される人はいません。
立浪和義(プロ野球)
2018/02/11
立浪は2018年1月に逝去した星野仙一の愛弟子である。中日の監督としての2年目、星野は高卒ルーキーの立浪をショートで開幕スタメンに抜擢したが、決してえこひいきしていたわけではない。他球団の選手と挨拶を交わすと、「試合中になに敵としゃべってるんや! ユニホームは戦闘服やぞ!」と怒鳴られ、凡退すると「もう使わん!」と厳しい言葉も投げつけられた。「振り返ると怒られてばかりだったように思いますが、あの人の場合、激しさや厳しさの中にふと愛情を感じてるんです」と立浪は述懐する。「『もう使わん!』と怒鳴った選手は必ず次の日に使いました。僕だけではなく、みんなに対してそうでした」。アメとムチを巧みに使い分けた星野流の人心掌握術はいかにも昭和的だが、「今の時代の良いところと、星野さんが残してくれたものを融合させていくのも僕らの役目なのかなと思っています」
Number944号(2018/01/18)