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スマイルジャパン、平昌へ視界良し。
世界トップ10の国に4連勝、理由は? 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2018/02/03 11:00

スマイルジャパン、平昌へ視界良し。世界トップ10の国に4連勝、理由は?<Number Web> photograph by AFLO

平昌五輪では数少ない球技に属するアイスホッケー。そのエキサイティングさは一見の価値がある。

相手はランク上位の2カ国、そして韓国北朝鮮合同チーム。

 グループBの日本は、ランク5位のスウェーデン、同6位のスイス、開催国の韓国と北朝鮮の合同チームとの争いで2位以内を確保すると、準々決勝へ臨むことができる。フィンランドかOARとの対戦が濃厚なベスト4へのサバイバルを制して、ようやくメダルを賭けた争いに挑むことができるのだ。

 しかも、準決勝で待ち受ける国は消化試合数がひとつ少ない。休養十分である。日本を含めたグループBの4カ国は、最初からハンディを背負っているのだ。

 山中監督が五輪での戦略を明かす。

「五輪で対戦する国は強国ばかりで、簡単に失点するチームでは勝てない。ロースコアの攻防に持ち込むことが大切で、その意味でも相手のシュート数を10本以下に抑えることのできた今回の試合は自信になったと思います。大量得点を取れるチームではないので、チームディフェンスをしっかりやりつつ、決定機で決め切れるスコアリングを追求していきたい」

初戦の相手、スウェーデンとはいつも接戦。

 連戦に耐えうるフィジカルについてはどうだろう。2大会連続の出場となるDFの床亜矢可は、積み上げてきた日々の重みに触れる。

「氷上だけでなく陸上も含めて、クラブチームでもこの4年間いままで以上のトレーニングをしてきました。筋肉の貯金ができてきたのかな、と思います。各国の相手に走り負けない自信はありますし、体格差は言い訳にもならないので、体格差を超えるだけの筋力とか体力を身につけてきたと思います」

 ポイントはスウェーデンとの初戦だろう。奇しくも4年前のソチ五輪でもスウェーデンと初戦で激突し、0-1で敗れている。内容的には互角と言っていいものだったが、勝ったスウェーデンは最終的にベスト4へ食い込み、日本は1勝もできずに8位で大会を終えた。

 おそらくは今回も、クロスゲームになる。'15年の世界選手権では日本が4-3と競り勝ったが、昨年12月のプレオリンピックカップでは延長戦の末に1-2で敗れている。

【次ページ】 目標は同じ「メダル」でも、4年前とは意味が違う。

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