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アラフォーの星野仙一は強烈だった。
「巨人軍と面白く戦う」という奔放。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byKyodo News
posted2018/01/17 11:00
大型トレードでの落合獲得。選手としても監督としても、星野仙一は巨人を倒すために万事を尽くした人物だった。
'80年代の星野仙一はどこか“猪木的”だった。
こうして振り返ると、'80年代の星野仙一は言動も行動もどこか“プロレス的”であり、それはまるでジャイアント馬場を挑発し、環状線の外側にプロレスを届けようと戦い続けた往年のアントニオ猪木を彷彿とさせる。
昭和のニッポンを盛り上げた燃える男・星野と燃える闘魂・猪木。ともに「打倒巨人」というアングルも共通している。
強い巨人を倒すことに命を燃やした星野仙一の70年間の人生。最後に『巨人軍と面白く戦う本』の中のこんな印象的な一節を紹介して終わりにしよう。
『僕は今、V9時代の巨人を相手にマウンドに立っているつもりで目をつぶっている。巨人のバッティング・オーダーが見える。その一人一人の顔や特徴、クセが見えてくる。それに対する時の僕の気分も甦ってくる…』