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日本人マスターズ最多5人出場へ!
松山ら3人が確定、あと2人は……。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2018/01/12 07:00
2017年は最後に悔しさを募らせた小平。その想いをバネに、マスターズ出場を果たせるか。
宮里優作までの3人がオーガスタ行きを決めている。
そして、思えば師走の主役は宮里優作と言ってよかった。賞金ランキング2位で迎えた日本ツアー最終戦でシーズン4勝目を挙げ、初の賞金王のタイトルを獲得。さらに2週間後のアジアンツアーで4位に入り、年末のランキングを50位に浮上させてギリギリで出場権を手に入れた。
新年を迎えるにあたり、オーガスタ行きを決めているのは上記の3人。
ただ、戦いは終わりではない。残された出場資格は「マスターズ前週までのPGAツアー優勝者」と、「マスターズ前週時点での世界ランキング50位以内」の2つである。
3月末までマスターズ出場権に向けて気を抜けない。
歓喜に沸いた宮里の裏で、悲劇のヒーローになったのが小平智だった。目の前にあった賞金王のタイトルをさらわれ、世界ランキングはインドネシアマスターズを急きょ欠場して51位に後退。熱望していたメジャーチケットも手からこぼれた。
ソニーオープンinハワイで再始動する小平は、3月末まで気の抜けない戦いに臨む。モデルになるのが、昨年の谷原秀人のケースだ。
谷原は2016年に日本ツアーの賞金ランキングで2位、世界ランキング55位で年を越し、1月から世界を転戦。米ハワイ、シンガポール、ミャンマー、オーストラリア、メキシコを経て3月に米本土に向かい、テキサス州での世界選手権シリーズ(WGCデルマッチプレー選手権)で4位に入ったことで、マスターズ前週の世界ランクを48位にして出場を決めた。
失意の12月、小平は古閑美保さんとの結婚式を挙げた。
スピーチを行なった宮里は、新郎からマスターズチケットを奪い取った“張本人”となったこともあり「一応……ご両家の方々には、謝っておきました。ちょっと気まずかったけれど、お酒を飲んで盛り上げておきました」と苦笑いした。「でも、智もチャンスがなくなったわけではない。マスターズまでの期間をどう過ごすかが大事」とエールを送る。
小平自身、昨年から「30代でマスターズで優勝争いをするためには、まず20代で出て、オーガスタに慣れていかないといけない」と意識を高く保ってきた。他選手の力に影響された、わずかなタイミングのズレが招いた悲劇に気落ちするわけにもいかない。