“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER

流経大柏の熊澤和希&関川郁万。
選手権で注目の最強2年生コンビ。

posted2017/12/29 17:00

 
流経大柏の熊澤和希&関川郁万。選手権で注目の最強2年生コンビ。<Number Web> photograph by Takahito Ando

激戦区・千葉を勝ち上がった流通経済大柏で定位置を確保した熊澤と関川。冬の主役になる準備は整っている。

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph by

Takahito Ando

 全国高校サッカー選手権に出場する流通経済大柏には、注目の2年生コンビがいる。

 FW熊澤和希とCB関川郁万。今年のインターハイチャンピオンであり、分厚い選手層の流通経済大柏で、能力の高い3年生をかき分けて、この2人だけが2年生で不動のレギュラーを掴みとっている。

 180cmの高さを持つ熊澤は、ピンと背筋を伸ばした姿勢で視野を確保し、常に複数の選択肢を持ちながらオンザボール、オフザボール両方で質の高い動きを見せる。1トップ、両ワイド、シャドー、ボランチと様々なポジションをこなし、瞬時に自分の役割と的確なポジショニングを理解して、プレーに反映できる。なおかつボールタッチもしなやかだ。

 見事だったのはインターハイ決勝・日大藤沢戦でのゴールだ。浮き球のボールを正確にコントロールすると、角度のない位置ながらGKの重心の位置を見極めて、チームを優勝に導くシュートを突き刺した。

180cmでも高校生離れした空中戦の強さを見せる関川。

 関川の特徴は、何と言っても対人と空中戦だ。CBとして身長180cmは大きくないが、空間把握能力と跳躍力、フィジカルバランスが秀でており、どんなボールでも正確にミートして弾き返せる。

 彼のヘッドは攻撃面でも効力を発揮する。セットプレーはもちろん、サイド攻撃からのクロスにも判断良く飛び出して、ヘッドでゴールを射抜くこともしばしばだ。インターハイ準決勝の前橋育英戦では、ファーサイドへの左CKに反応。文字通り叩き付けたヘッドが強烈に地面を叩くと、猛スピードでゴール上段のネットに突き刺さった。この一撃でチームは決勝進出を果たした。

 インターハイ優勝の立役者となった2年生コンビ。今や彼らは「来年の目玉」、「要獲得選手」として、複数のJクラブが色めき立つ注目のコンビなのである。

【次ページ】 飄々として見える熊澤だが、実際は努力家。

1 2 3 4 NEXT
熊澤和希
関川郁万
流通経済大柏高校

高校サッカーの前後の記事

ページトップ