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大谷翔平にワクワクするアメリカ。
二刀流は既存の価値観への挑戦だ。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2017/12/15 18:00
アメリカでも大谷翔平への注目度は極めて高い。メジャーの歴史でも類がない二刀流を日本人が実現したら、一体何が起こるのだろう。
既存の価値観への挑戦に、広がるワクワクした雰囲気。
もちろん注目度が高いだけに、うまくいかなければ叩かれる。北海道日本ハムでの「投打二刀流」挑戦の時のように「投手に専念しろ」、「打者に専念するべきだ」と散々言われることになる。
そういう人々は「投手に専念すれば好成績が挙げられて個人賞の獲得も可能だ」といったようなことを言うが、そもそも「投打二刀流」に成功の定義なんてない。「投手として15勝。打者として20本塁打」では個人タイトルなど獲得できないが、分業化が進むメジャーリーグで「投げても打ってもレギュラークラスの選手」が登場するだけで、それはもう充分ではないかと思う。
「日本のベーブ・ルース」? いや、これはそんなものを超えてしまっている。
既存の社会=メジャーリーグへの挑戦だ。挑戦を受ける側も「やれるものならやってみろ」と受けて立つ構えを見せている。ワクワクとした、何とも言えない雰囲気が、メジャーリーグの中に広まりつつある――。