濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
キック大会『KNOCK OUT』が1周年。
成功の鍵は「普通のビジネス」!?
posted2017/12/17 08:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Susumu Nagao
キックボクシングイベント「KNOCK OUT」が旗揚げ1周年の両国国技館大会(12月10日)を成功させた。観衆は公式発表で5100人、札止めである。
RIZIN、新生K-1とともに日本格闘技の“新メジャー時代”を形成していくことが期待されるKNOCK OUTは、新日本プロレスと同じブシロードの資本で旗揚げされたものだ。同社はカードゲームやキャラクターコンテンツなどを広く扱っている。
プロデューサーは自主興行『NO KICK,NO LIEE』を手がけてきた小野寺力。選手時代からヒジ打ちありの“純キックボクシング”にこだわってきた。
運営会社「キックスロード」の代表、花澤勇佑はIT業界からブシロード入り。
もともとプロレスファンで、これまでプロレスのカードゲームを担当してきた。つまりIT、ホビー、プロレス、加えて広い意味での“オタク産業”を見てきた人間がキックボクシングにビジネスとして携わっているということになる。
宣伝の秘策や“飛び道具”も無いのに大繁盛?
両国大会は、興行の絶対的切り札と言える那須川天心を欠いての開催だった(那須川は11.23RISE、大晦日のRIZINに参戦)。
それでも想定以上の観客動員になったと小野寺は言う。
しかし、その理由は「分からないんですよ。僕が聞きたいくらい(苦笑)。結局、これまでの積み重ねとしか言いようがないです」。
花澤も「プロモーションの秘策とか飛び道具とか、そういうものはありませんでしたね」と認める。