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森保ジャパン初陣、U-20W杯組ゼロ。
東京五輪世代は「すべてが競争」。
posted2017/12/12 17:10
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Getty Images
日本代表がE-1サッカー選手権を戦っているその裏で、東京五輪に出場する若き日本代表(U-20日本代表)が第一歩を踏み出した。
サンフレッチェ広島を三度のリーグ優勝に導いた森保一監督率いるチームは現在、タイで開催されているM-150カップに参戦している。
日本、北朝鮮、タイ、ミャンマー、ベトナム、ウズベキスタンの年代別代表チームがふたつのグループに分かれて戦い、最終日の15日にグループ1位同士による決勝、2位同士による3位決定戦が行われる。
9日に行われた地元タイとの初戦に1-2で敗れた森保ジャパンは、スタメン10人を入れ替えて臨んだ11日の北朝鮮戦で4-0と快勝。グループ2位以内を確定させた。
タイと北朝鮮の試合が13日に行われるため、決勝に進めるか、3位決定戦に回るかは定かではないが、いずれにしても、15日の最終戦への進出を決めた。
できるだけ長く選手を確認したい指揮官にとっても、おおいにアピールしたい選手にとっても、もう1試合戦えるのは大きい。
今大会とU-23アジア選手権で“2チーム”を結成。
ご存知の方も多いかもしれないが、今チームにはこの世代のトップランナーと言うべき、今年5~6月のU-20ワールドカップに出場した選手がひとりも含まれていない。
来年1月にはU-23アジア選手権中国大会に出場するが、森保監督はすでに「基本的に今回と次の1月の中国に行くメンバーは分けて考えています」と明言している。
「この年代の選手をより広く、ラージグループとして捉えながら、選手を見させていただき、最終的にコアな部分を作っていきたい」
東京五輪の開幕まで、2年半もある。なるべく多くの選手を手元に呼んでチェックして、自身のスタイルや哲学を広く伝えたい、と考えるのは当然だろう。それに今大会とU-23アジア選手権を同じメンバーで戦えば、彼らがオフを取れなくなってしまう。
こうしたことから2チームを結成し、今大会には代表経験の少ない選手が参加しているが、この「ラージグループ戦略」が、「多くの選手を見る」ということ以外の効果をすでに発揮している。
U-20ワールドカップ組へのライバル心、である。