プロ野球亭日乗BACK NUMBER
DeNA、若き才能と危うい未成熟。
敗れはしたが魅力的なチームだった。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2017/11/05 12:20
あわやスイープかと思われる3連敗から、2勝を返して日本シリーズを緊迫したものにしたDeNA。その粗削りさは、確実に魅力の1つでもある。
未成熟だからこそ、まだまだ成長できる。
「こういうビッグゲームでは、事前にいかに準備をしっかりするか。そこが大切だ」
奇しくもこの第6戦の試合前に指揮官が語っていた言葉だ。次のプレーへの備えと準備がしっかりとできていたソフトバンクの選手に比べると……やはりそこが勝者と敗者を分けた分岐点だった。
「選手たちには素晴らしい1年だったと伝えた。こういう形で負けはしたが、これは負けではない。得るものがあった1年だった」
試合後のラミレス監督がこう振り返った通り、この若いチームはシリーズという舞台で、これまでに得たことのない様々な経験をしたはずである。
今季のDeNAは才能に溢れた若く魅力的なチームだったが、まだ未成熟なチームでもあった。
逆の言い方をすれば未成熟ということは、まだまだこの先、横浜DeNAベイスターズはチームとしてもっと成長できるという証でもある。