バスケットボールPRESSBACK NUMBER
アメリカからBリーグ逆輸入、田渡凌。
苦戦中の横浜で感じる生きがいとは。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/11/03 08:00
田渡はユニバーシアード代表に選ばれるなど、今後の日本バスケ界を背負っていく有望株の1人だ。
「もちろん文句は言うつもりは全くない。ただ……」
交代直後こそ試合中ということもあって理由を聞くタイミングがなかったが、試合終了後には交代を命じられた理由を聞きにいった。実際、この試合でPGながらチーム最多となる14得点を記録したからこそだった。
渋谷戦を含めて、ここ最近は田渡の出場時間が伸びている。古田HCはその理由について話してくれた。
「ゲームコントロールも十分にできるという感じがあった。途中で下げたりもしましたけど、後半の勝負どころで必要な選手だと思って使っています」
一方、田渡は自らのアクションも含めてこう振り返る。
「もちろん、文句は言うつもりは全くないです。ただ、スタートのPGが開始5分で下がる時って、たいていはヘマをしたときくらい。“どうして代えられたのかな”という気持ちでバスケをやっていると、チームは良くなっていかないと思ったので聞きに行ったんです」
コミュニケーションを取って少しずつでも良くなる。
後半に勝負をかけたいという説明を古田から受けて、頭に浮かんだ疑問符は氷解した。
「ベンチから出て行く選手が“俺は良いプレーしないと交代させられちゃう”と思ってプレーしていると、シュートセレクションが悪くなることもあります。でもHCと話して、交代になった理由を理解できました。今度、試合前に(5分で下がるという)指示を受けたら、それこそ5分で死ぬくらいの勢いでバスケをしますし、相手にプレッシャーをかけにいく。そういうコミュニケーションをもっと取っていけば、少しずつでも良くなるんじゃないかなと僕は思います」
田渡も古田HCも、今シーズンからビーコルにやってきた。さらに、田渡の場合はU-24日本代表の活動があったため、チームに本格的に合流するのが1カ月半近く遅くなった。今はそのギャップを埋める期間だ。
「年上の選手が多いから、というのは言い訳にはならないので(※田渡はチームで2番目に若い)。年齢別の大会やリーグが変わるわけじゃないし、僕らは同じ舞台で戦っているわけですから。コートに立つ以上は、年齢は関係ないというのは当たり前のこと。そういう覚悟をもって、まずはディフェンスで相手をストップするためにファイトしないと勝てないと思います」