濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
全日本プロレス復興の要因は……?
秋山準社長が重んじる“基本と自由”。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2017/10/28 08:00
世界タッグ戴冠直後の秋山と大森。同期の2人はデビュー25周年にして快挙をなした。
馬場のようでもあり、本人らしくもあり……。
秋山は1969年生まれだから48歳。
関本のチョップに耐える姿は、かつてここ一番という試合で天龍や三沢に立ち向かっていった馬場のようでもあった。
それでいて、猛攻に耐え抜いた末にリストクラッチ式エクスプロイダーで勝ちきったのだが。
自己主張歓迎、「もっとハチャメチャでいい」。
世界タッグ王者となったことについて「嬉しいというより責任を感じる」と試合後の秋山は言った。同時に、自己主張が少ない選手に対して「負けて黙って帰ってきてどうすんだ」と“ダメ出し”も。
時おり、観客にとって「?」な展開もあるものの、それも含めて自己主張しなければ生き残れないのが今の全日本だ。秋山自身、自己主張によって団体を動かし、新日本プロレス・永田裕志との対戦を実現させた歴史がある。
全日本プロレスのキャッチフレーズである“王道”とは、秋山にとってはプロレスの基本のことだろう。それさえ守っていれば「もっとハチャメチャでいい」(秋山)のが今の全日本プロレスであり、時代に即したプロレス団体のあり方なのだ。