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誰を呼ぶかよりも、どこに呼ぶか。
ハリル10月招集の優先順位は?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAsami Enomoto
posted2017/09/28 07:00
三浦弦太、久保裕也、中村航輔に小林祐希……これまで出番が限られた選手にとって10月の連戦は千載一遇のチャンスとなるか。
塩谷と鈴木を薦めたいのは右でも想定できるから。
室屋と同じリオ五輪世代の松原は、移籍1年目の横浜F・マリノスで出場試合数を増やしている。ただ、直近のリーグ戦はスタメンではなかった。そのあたりを、ハリルホジッチ監督がどのように判断するのかだ。
酒井(宏)が離脱した場合の手当てとしては、すでに酒井高徳の起用に目途がついている。しかし、ふたりの酒井を使えないような事態も想定すると、3人目、4人目を用意しておきたい。
塩谷と鈴木を勧めたいのは、センターバックだけでなく右サイドバックとしても想定できるからである。ヒムナスティックでの鈴木は、右サイドバックでも出場しているのだ。高さのある彼らのサイドバック起用は、守備に軸足を置いた戦略のなかで効果を見込めるものである。
2列目と中盤でオプションを増やすためには?
今回のテストが持つふたつ目の側面は、オプションを増やすことだ。
最終予選突破へ突き進んでいった今年3月から、ハリルホジッチ監督は4-3-3の使用頻度を高めている。3トップについては、それぞれのポジションに計算できる選手がふたりずつ揃う。左は乾貴士と原口元気、中央は大迫勇也と岡崎慎司、右は浅野拓磨と久保裕也である。彼らのうち何人かは前線の違うポジションに当てはめることができ、同じように複数ポジションをこなすタイプとして本田圭佑、武藤嘉紀、小林悠らもいる。
さらに言えば、左なら宇佐美貴史、中央なら金崎夢生と杉本健勇らも候補に上がってくる。こうした選手の組み合わせを変えることで、4-2-3-1のシステムに対応することも可能だ。
4-3-3でも4-2-3-1でも、大迫勇也が軸になることは変わらない。彼を中心として組み合わせの優先順位を決めていくのが、これからのテーマになる。
4-3-3のシステムにおいて、テストの色合いが強いのは中盤の3枚だ。さらに言えば、ふたりのインサイドハーフである。
アンカーポジションには、長谷部誠、山口蛍、井手口陽介と候補者が揃っている。対してインサイドハーフは、序列がはっきりしていない。
高い位置でのボール奪取をショートカウンターへつなげていくなら、最終予選のオーストラリア戦と同じキャスティング──山口と井手口を選べばいい。ただ、追いかける展開では違う個性が欲しい。