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青木宣親は今も「意外とフツー」。
生き残りこそが日常、という達観。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2017/09/15 08:00
移籍前から続く連続試合安打は12試合(9月11日時点)に。環境が変わっても安打を打つ能力は変わらない。
リップサービスをしない名監督の青木評は?
日本では何かと「元オリックス」と付けられるメッツのテリー・コリンズ監督は「アオキみたいな打者をラインアップに加えられるのはラッキーなことだよ」と言う。一昨年、メッツをリーグ優勝に導いたベテラン監督は、あまりリップサービスをしない。
「彼がいい打者なのは昔から知っている。ここでも同じように打っている」。以上。
2010年に就任したサンディー・アルダーソンGMはアスレチックス時代、オーナーの強権発動で年俸削減の命を受けながらチームの競争力を上げるため、当時はまだ誰も目を付けてなかったセイバーメトリクス(野球の統計分析学)に注目した人だった。後にブラッド・ピット主演の映画「マネーボール」の主人公として有名になるビリー・ビーン(現アスレチックス編成本部長)をGMに抜擢してチーム再建に成功したのも彼である。
メッツは年俸削減の真っ最中。来季は?
メッツGM就任後も、当時の年俸総額約1億3422万ドル(147億6400万円)から2013年の約6834万ドル(75億1740万円)まで大幅な削減に成功した。もちろん、それで順位が伴うはずはなく、若手選手の獲得や育成を中心としながらも年俸総額は年々上昇。2015年に15年ぶりのリーグ優勝、翌2016年もワイルドカードでの2年連続プレーオフへ進出する過程で、年俸総額は今季開幕時に約1億7628万ドル(193億円)まで膨れ上がった。
ところが今季は、過去2年の躍進の原動力となった投手陣に怪我人が多発するなど苦戦して、夏場には事実上ペナントレースを諦めざるを得ない状況に陥った。打ち出した方向転換は「まずは高額年俸の主力選手を放出して、年俸総額を削減すること」。
ベテランのカーティス・グランダーソン外野手(現ドジャース)、ジェイ・ブルース外野手(現インディアンス)、ルーカス・デューダ内野手(現レイズ)、ニール・ウォーカー内野手(現ブルワーズ)、救援のアディソン・リード投手(現レッドソックス)、フェルナンド・サラス投手(現エンゼルス)らを他球団へ放出して、総額約700万ドル(7.7億円)の年俸削減に成功したという。アルダーソンGMは5日の会見で、今オフの補強についてこう話した。
「今季と同じぐらいになるとは言わないが、ある程度の予算を投入することになる」